八戸市美術館ボランティア「ハビボ」のみなさんのページです。
今回は、ボランティア発行の会誌の中からほんの一部ですが
ご紹介します。

ハビボ通信

 八戸市美術館ボランティアだより −第3号− H16/2/15発行

ニューズリポート

★日本の四季をテーマにしたおはなし会
  ギャラリーイベント「昔ばなし 春・夏・秋・冬」

 10月18日、開催中だった特別展「巨匠たちが描いた日本の自然展 国立公園の四季」に合わせ、ハビボ主催のギャラリーイベント「昔ばなし 春・夏・秋・冬」が開催されました。このイベントは、日本の四季を描いた昔話や詩のストーリーテリング(語り)や、絵本の読み聞かせなどを行うもので、出演はハビボの会員でもある野坂純子さん、吉田智恵さんの所属するボランティア・グループ「八戸おはなしの会 紙風船」の皆さん。会場は三階展示室でした。 イベントが始まると、大人も子供もその見事な語りに熱心に聞き入り、最後にはアンコールも起こる程の盛況振りでした。


★事後研修の実施

 10月7日、美術館講議室にて事後研修会が行われました。これは、通常展覧会の前に行われる事前研修とは異なり、これまでの活動の反省などを行うもの。「棟方志功展」での団体客への解説について、よりたくさんの人々を美術館へ呼ぶにはどうしたらよいか、などについて、ボランティア会員の皆さんの間で様々な意見が交換されました。


★ハビボ主催の初の実技講習会
  ワークショップ 「ペン・水彩で楽しむはがき絵」

 美術館講義室にて10月21日、ハビボの代表、安藤清一さんが講師を務めるワークショップ「ペン・水彩で楽しむはがき絵」が行われました。(コラムを参照)この講座は、花や植物をモチーフとした水彩画を描くもので、初心者を含めた一般の方々が参加しました。最初に植物の描き方の説明があった後、いよいよ制作へ。普段は絵筆を持つ機会のない皆さんも、「まるで童心に返ったよう」と、写生に夢中の様子でした。


★平成15年度二度目の研修旅行
  岩手県立美術館「ヴェネツィアの光と影〜イタリア絵画の400年展」

 11月19日、今年度二度目の研修旅行が実施されました。ハビボ会員18名が参加、目的地の岩手県立美術館へ午前8時30分に出発しました。 当日は、雲のかからない岩手山が見られる程の晴天で、バスの車窓からの景色を楽しみ、美術館へ到着してからは、開催中の特別展「ヴェネツィアの光と影〜イタリア絵画の400年展」を鑑賞しました。この展覧会は、イタリア絵画の変遷だけでなく、作品の修復の過程をX線写真などを交えながら紹介するという大変興味深いものでした。
 昼食は、会員の工藤和宣さんの推薦の店へ、メンバーの大半が移動。その後また美術館へ戻り、常設展の鑑賞となりました。特に岩手県出身の作家、松本俊介、萬鐵五郎、舟越保武の作品は皆さん熱心に見入っていました。どの方も大満足の研修旅行となったようです。


●研修旅行を終えて・・・・・
 地上二階建てのモダンな白亜の美術館に一歩足を踏み入れると、そこにはイタリア・ルネサンスの文化に大きな足跡を残した、ヴェネツィア絵画の作品が光り輝き、あたかも私達を歓迎しているかのようだ。中世ヴェネツィアの美術はビザンチンの強い影響下にあり、『ロレンツォ・ヴェネツィアーノの聖母子像』を始めとして、作品は生き生きとして、優雅な趣があり、ダイナミックな特徴を持っている。イタリア絵画を代表する華麗な色彩画家ティツィアーニの弟子であるチントレットの作品や、ミラノにあるレオナルド・ダ・ビンチの『最後の晩餐』の影響を受けた壮麗な様式を持つ同じ題の作品にも深い感動を覚えた。 
 ゆがんだ真珠の異名を持つバロック絵画では、光と影のバランスをよくとらえたベルナルド・ストロッツィの作品や、また柔らかなフォルムや動感があり、ピンクや水色、白色を主とした洗練された色彩、軽やかなタッチで表現された『軍神マルスとヴェヌス』というジョバンニのロココ絵画の作品などが並び、イタリアの絵画史上に燦然と輝くヴェネツィア絵画に感動し、その美に陶酔した。
 帰りのバスに揺られながら、先日旅行したロシア、サンクトペテルブルグにあるエルミタージュ美術館やロマノフ王朝時代のエカテリーナ宮殿で見た名画を思い出しながら、その余韻に浸る事ができ、満ち足りた1日であった。(研修支援担当 白石昭宣)


★小・中学生たちが独自のセンスを発揮
  ワークショップ「ステンシルで遊ぼう」

 年が明けて2月7日、美術館講義室にて、ハビボ事務局の白石昭宣さんを講師に、ワークショップ「ステンシルで遊ぼう」が開かれました。ステンシルとは、中を様々な形に切り抜いた型紙を作り、その型紙の上から絵の具などをのせて画面を作っていくという技法のこと。 折しも風邪が流行する中、参加者が集まらないのではないかという心配をよそに、結局18名の小・中学生が参加しました。皆さんそれぞれのセンスを発揮し、驚く程楽しい作品を制作していました。



Member's column
〜美術館の新たな役割〜

 ワークショップ「ペン・水彩で楽しむはがき絵」を平成15年10月21日、八戸市美術館で開催することができた。地元のタウン誌や新聞の協力で、20代から60代の受講生22名が参加した。
 会場の都合で募集対象は一般20名だったが、30名近い受講申し込みがあった。会場に和やかな雰囲気が溢れていた。受講生に感想をきくと、「これまで美術館にきたことはなかったが、はがき絵ということで来ました」「相手の人が見てくれた時のことを想像すると、わくわくします」「とても楽しい」「またやって欲しい」みんな生き生きした表情で話す。
 かつて美術館は保存や展示に力点を置いていたが、1980年代にはさまざまな仕掛けで観客を巻き込むようになり、90年代以降、美術館の新たな役割が求められている。
 平成14年度から新しい学習指導要領の改訂で、児童生徒が美術館など地域の施設に出向き、学習することが多くなっている。
 今後、学校から児童生徒が美術館へ足を運び、作品を前に学習したり、美術館から学芸員や美術館ボランティアが学校に出かけて行き、作品解説や出前授業、研究会を実施したりする機会が増えることは確実である。美術館は、学校教育と連携し、児童生徒を含めた来館者の観覧活動をしっかりとサポートしていく必要がある。児童生徒の受け入れ体制を整え、美術館教育の充実に取り組んでいくと共に、美術館は、本物の価値ある美術作品に直接出会えるという特色を活かしながら、児童生徒の鑑賞教育に貢献できればと考えている。(ハビボ代表 安藤清一)



学芸員のないしょ話・2
〜常設展の秘密?〜

 さて、美術館の顔ともいえる「常設展」が全国的に人気がないのは”なんでだろう〜♪”。
これについて、ボランティアのみなさんはどう思われますか。
まず、理由の第一に挙げられるのは「いつ見ても同じだから」というように、一度見たらもう入らなくてもいい部屋というイメージがすっかり定着していることにあると思われます。でも…ちょっとまって…!常設展はいつも同じじゃないんです。
 たとえば、岩手県立美術館の場合でいうと、展示室は企画テーマのもとに国内外から集められた作品による展覧会を開催する「企画展示室」と、岩手の近現代の郷土作家の作品を中心としたコレクションを展示する「常設展示室」、岩手を代表する作家の作品を展示した「萬鉄五郎展示室」や「松本竣介・舟越保武展示室」のあわせて4部屋からなり、企画展は年間5本、常設展示室は春夏秋冬の季節に応じて4回展示替えをしています。
 このように、季節(約3ヶ月)ごとに作品を入れ替えているのは、勿論お客様に何度でも足を運んでもらうためでもありますが、他にも大事なお役目があるのです。その役目とは?これが秘密?でもあるのです。実は、美術館の大事な役目は展示だけではないのです。コレクションした貴重な作品を保護し、次世代にきちんと伝えていくため、作品を休ませてあげることも大事な大事なお役目の一つなのです。人間にも作品にも睡眠は欠かせないものなのです。
 ちなみに、岩手県美の企画展「ヴェネチィアの光と影」を見学に行った時、常設展示は秋季展示でした。ちゃんと見てきましたか。   (八戸市美術館学芸員 山田泰子)