平成17年度 島守中環境教育の取組から新井田川水系を活用したもの
八戸市立島守中学校


 ・第2回ふるさとの川・みず調査
  調 査 日 平成17年6月9日(木)
  担  当 市港湾河川課
  対  象 3年理科授業 15名
  調査箇所 4地点 巻橋上流、島守中学校前、砂篭橋、荒谷橋
  結  果 水質階級 T きれいな水

 ・平成17年度全国水生生物調査
  調 査 日 平成17年7月2日(土)
  担  当 県土環境政策課(市環境政策課)
  対  象 3年選択理科授業 11名、高専 河村信治先生も参加
  調査箇所 6地点 巻橋上流、島守中学校前、砂篭橋、荒谷橋下流、目蕪良川合流地点、荒谷橋上流
  結  果 別ページ

 ・水辺再発見推進事業
  調 査 日 平成17年9月12日(月)
  担  当 県土整備事務所
  対  象 3年理科授業 15名
  調査箇所 1地点 島守中学校前
  結  果 別ページ
 
 ・島守地区の環境調査(選択理科)
  期  間 4/11説明会〜 10/23発表会(文化祭) 累計17時間と休日
  対  象 3年選択理科授業 11名
  内  容
   島守地区のホタル調査 3年11名
   島守地区のツバメ調査 3年3名
   植物の分布と水質 3年2名
   島守地区の水質調査 3年11名
   島守地区の水生昆虫調査 3年3名
   星の見え方について 3年4名
   島守地区の魚調査 3年2名

 ・フレンドリー島守(総合的な学習の時間)
  期 間 説明会6/9 〜 発表会9/27 累計25時間と休日
  内  容
  『新井田川(川原の植物)』 1年2名、2年2名
  『島守の川の変化』 3年1名
  『新井田川(川原の石)』 3年1名
  『島守の川の生物』 3年1名
  『島守の水はきれいか?』 3年3名


 ・3年理科授業
  単元「自然と人間」 12月授業予定

1.島守地区の新井田川の水質1 (平成17年7月2日 「全国水生生物調査」結果)
(1) 目的 島守地区を流れている新井田川4ヶ所及びそこに流れこんでいる古里川・目蕪良川各1ヶ所の6つのポイントにしぼり、・COD・pH・水生昆虫を採取し水質階級を調べる。
(2) 用意したもの ・あみ・温度計・ピンセット・水生昆虫を分別するもの・(pH・COD)のパックテスト・水の速さを計るもの
(3) 調査方法 ・COD、pH、を各場所1回ずつ行う。
       ・水生昆虫を採取する。
(4) 調査場所 
(5) 結 果
@新井田川・巻橋上流
水温 19.5 川幅 30m 生物採取場所 川の中心 水深 30cm
流れの速さ 速い 川底の状態 こぶしくらいの石
水のにごり きれい 見つかった指標生物 カワゲラ6匹 
ヒラタカゲロウ8匹 ナガレトビケラ1匹 コガタシマトビケラ21匹 
その他の生物 ヒゲナガカワトビケラ11匹 鳥類 ・セキレイ・トンビ
COD 2  pH 7.6      水質階級 T きれいな水

A新井田川・島守中学校前
水温20.5 川幅 40m 生物採取場所 左岸 水深 20cm
流れの速さ 速い 川底の状態 こぶしくらいの石
水のにごり きれい 見つかった指標生物 カワゲラ12匹
ヒラタカゲロウ51匹 コガタシマトビケラ58匹 ヒル1匹
その他の生物 ヒゲナガトビケラ2匹 鳥類  カワセミ セキレイイワツバメ
COD 3  pH 8.2      水質階級 T きれいな水

B新井田川・荒谷橋上流
水温 18.0 川幅 25m 生物採取場所 左岸 水深 50cm
流れの速さ 普通 川底の状態 頭大の石 
水のにごり 少しにごっている 見つかった指標生物 カワゲラ2匹 ヒラタカゲロウ 6匹 オオシマトビケラ2匹
その他の生物 魚類 ハゼ
COD 1  pH 8.3      水質階級 T きれいな水

C新井田川・荒谷橋下流
水温 20.0 川幅 50m 生物採取場所 左岸 水深 80cm
流れの速さ 遅い 川底の状態 こぶしくらいの石 
水のにごり 少しにごっている 見つかった指標生物 ヒラタカゲロウ3匹
その他の生物 鳥類 セキレイ
COD 1〜2 pH 7.8     水質階級 T きれいな水

D目蕪良川・新井田川合流手前
水温 17.0 川幅 1.5m 生物採取場所 川の中心 水深 30cm
流れの速さ 普通 川底の状態 頭大の石
水のにごり 少しにごっている 見つかった指標生物 ヒラタカゲロウ4匹
オオシマトビケラ1匹 ゲンジボタル1匹 コガタシマトビケラ3匹 ヒル8匹
その他の生物 なし 気づいたこと 両岸に護岸工事がなされている。
COD 3〜4  pH 7.9    水質階級 U 少し汚い水

E古里川・砂篭橋下流 
水温 17.0 川幅 2m 生物採取場所 川の中心 水深 25cm
流れの速さ 遅い 川底の状態 こぶしくらいの石
水のにごり 少しにごっている
見つかった指標生物 ヒラタカゲロウ13匹 カワニナ30匹 
ヒル13匹
その他の生物 鳥類 ・セキレイ ・トンビ
COD 2〜3 pH 7.6    水質階級 T きれいな水

2.島守地区の新井田川の水質2 (平成17年9月12日「水辺再発見推進事業」結果と7月の比較)
(1) 目的 調査1の結果で水生昆虫の数が多かったが、7月と9月では、水生昆虫の出かたに違いがあるのか調べる。
    1つの場所を4つに分け、同じ場所でも違う昆虫が出るのか調べる。 
(2) 用意したもの ・あみ・バケツ・温度計・虫メガネ・ピンセット・(COD・pH・DO)のパックテスト・水の流れの速さを測るもの 
(3) 調査方法 島守中学校前の川で4つの場所(1左岸 2左岸と中央の間 3中央 4中央と右岸の間)で水生昆虫を採取する。COD、pH、DOは、パックテストを3回やり平均をだす。

(4) 結 果 
@左岸 水温22.0 生物採取場所の水深 14cm 流れの速さ 速い
    川底の状態 こぶしくらいの石 水のにごり きれい
    見つかった指標生物 ウズムシ5匹 カワゲラ2匹 
    ヒラタカゲロウ4匹 コガタシマトビケラ4匹 スジエビ1匹 ヒル2匹 
    その他の生物 アブラハヤの稚魚 
    COD 5.3 pH 7.8 DO 6.5 水質階級 T きれいな水
A左岸と中央の間 水温 22.0 生物採取場所の水深 29.2cm 
    流れの速さ 速い 川底の状態 こぶしくらいの石 
    水のにごり きれい 見つかった指標生物 ウズムシ6匹 
    カワゲラ2匹 ナガレトビケラ5匹
    その他の生物 アブラハヤの稚魚 
    COD 3 pH 7.1 DO 6.3 水質階級 T きれいな水 
B中央 水温 21.8 生物採取場所の水深 25cm 流れの速さ 普通
    川底の状態 こぶしくらいの石 水のにごり きれい
    見つかった指標生物 ウズムシ2匹 カワゲラ5匹 
    ヒラタカゲロウ4匹 ヘビトンボ1匹 ヤマトビケラ2匹
    コガタシマトビケラ2匹
    その他の生物 アブラハヤの稚魚
    COD 1 pH 7.8 DO 5.3 水質階級 T きれいな水
C中央と右岸の間 水温 22.0 生物採取場所の水深 31.2 
    流れの速さ 普通 川底の状態 こぶしくらいの石
    水のにごり きれい 見つかった指標生物 ウズムシ4匹 
    カワゲラ5匹 ナガレトビケラ1匹 ヒラタカゲロウ1匹
    ブユ1匹
    その他の生物 アブラハヤの稚魚
    COD 7 pH 3 DO 5.5 水質階級 T きれいな水    

(5) 考察 ・7月と9月で、水生昆虫の数に変化があったのは、7月に川の中にいた幼虫が成虫になって
       しまったからだと考えられる。
      ・9月の、川の中の水生昆虫が7月と比べて小さかったのは、成虫になった虫が卵を産んで孵化したばかりだと考えられる。その後10月末の観察ではかなり大きくなっていた。


3.島守地区の新井田川に住む魚
(1) 島守地区の新井田川の特徴
 島守の川には、昔は深い所がたくさんありました。しかし、護岸工事で川幅を広げ、水深を浅くしました。ほとんどの所が浅くなり深い所はほんの少しです。その後の洪水で、上流から大きな石が流れてきて、小石から大きな石に変わり、砂地の所が少なくなりなした。3年前には、世増ダムが完成したので、これからは、洪水によって大きな石が流されてくることはあまり無いと思われます。旧八戸市内では新井田川はあまり蛇行していませんが南郷区の島守のあたりではかなり蛇行しています。川が蛇行していることで、流れの速さに変化が生まれ、
島守地区の魚の種類を豊富にすることにつながっていると考えられます。理科の授業で行った水質調査では新井田川は、水質階級Tのきれいな水でした。新井田川に流れ込む支流では少し汚い水もみられましたが、川の自浄作用ですぐきれいになっているようです。

世増ダムから流れ出る新井田川

(2) 各場所の特徴と見られる魚
・虚空蔵淵
 
流れの速い所と遅い所があり、流れの速い所は、浅く大きな石がたくさんあり渦を巻いています。流れの遅い所は深くて川底が砂地になっています。
見られる魚 ウグイ・アブラハヤ・コイ・ハゼ・ウナギ・ナマズ・ヤマメ・サクラマス・フナ・アメマス


・発電所
 
川が二つに分かれて、一つ目の川は流れが速くて少し大きめの石があります。二つ目の川は流れが遅く、深くて川底は砂地です。
見られる魚 ウグイ・コイ・アブラハヤ


・荒谷橋
 
流れの速い所から除々に遅く、深くなっています。川底は、ほとんどの所が大きな石です。
見られる魚 ウグイ・アブラハヤ・コイ・フナ


・赤穂土橋・馬場橋
 
流れが速く、川底は小石が多いです。
見られる魚 ウグイ・アブラハヤ・コイ


・エンテイ
 
流れの速い所から、除々に遅くなり一気に流れが速くなります。川底は小石と大きな石がたくさんあります。
見られる魚 ウグイ・ヤマメ・ハゼ・アブラハヤ・コイ・フナ


(4) 季節による変化
・春
 海から上ってきたサクラマス・アメマス・上りウグイが釣れます。しかし、水温がまだ低くて、ウグイ・コイ・アブラハヤなどの魚は釣れません。
・夏
 サクラマス・アメマス・上りウグイは釣れなくなりますが、水温が上がりウグイ・コイ・アブラハヤが釣れます。ヤマメ・イワナも流れの速い所で良く釣れます。
・秋
 アブラハヤ・ウグイが釣れなくなりますが、コイがよく釣れるようになります。この時期から脂がのって美味しくなります。
・冬
 水温がかなり低くなり、ほとんど場所で魚は釣れません。しかし、底の深い虚空蔵淵や荒谷橋ではウグイが釣れます。

(5) まとめ
祖父や父の話では、昔の島守は深い所が多く、川底はほとんど砂地でした。そこには、コイ・ウナギ・ナマズがたくさんいて魚にとって、とてもすみやすい環境でした。しかし、護岸工事で川幅が広くなり水深が浅くなりました。そのせいでコイ・ウナギ・ナマズの数が減り、流れが速く、水深の浅い所でもすめるウグイ・アブラハヤが多くなりました。僕は、魚の種類は変わっても四季の変化に合わせて数多くの魚を釣ることができる島守の川をこれからも大切にしていきたいと思います。


4.島守地区のツバメ調査より新井田川に架かる橋に住むイワツバメ
 島守地区では、ツバメ、イワツバメ、アマツバメがみられますが、新井田川に架かる橋には、多くのイワツバメの巣があります。
(1) イワツバメの巣の様子
@巣は、この様に、橋の桟の両側に多く作られていた。
A土手が近くにあるこのポイントには巣はない。
Bパイプの所で狭くなっている。ここには、巣はない。
島守橋:
せいぜい10個位かと思ったら、全部で、114個の巣を見つけることができた。
馬場橋:
川が深いため、一部しか観察できなかったが、28個の巣を見つけた。観察した所と同じ様な場所が6ヶ所あったため、この6倍位はあるものと考えられる。
・どちらの橋の巣も、イワツバメのものであり、とっくり型をしていた。

雛に エサをあげている様子 
 
観察の様子