南部せんべいの由来
南部せんべいの始まりについてはいろいろな説がありますが、ここでは長慶天皇説を
紹介します。
○旅をつづけて来られた長慶天皇の一行は、南部の国の山里の中で、夕暮れになって
しまいました。
みんなが空腹で困っているとき、赤松という家来が近くの農家からソバ粉とゴマを手に入
れて、自分のカブトを使ってソバの粉をこね、そのままカブトに火をかけ、ゴマをまぶして
焼き上げました。
天皇にさしあげたところ、大変おいしいとお喜びになり、一行の者も感心して食べたとい
うことです。
後になって、カブトの代わりに鉄の焼き型が使われるようになったとき、天皇は赤松に
「その方の忠節と苦心は、楠正成にも肩をならべるものがある。そこで焼き型の
表には菊水の紋、裏にはその方の定紋である三階松を使用するがよかろう。」
と仰せられました。
※菊水と三階松のもようは、今でも八戸せんべい独特のものとして
使用されています。
<参考文献> 歴史と伝説・はちのへ物語 正部家 種康著