おいしいいちごにつまった工夫は?
木村さんの一番の願いは、おいしいいちごを作ることです。そんな、いちご作りに大切
なものは「土・日光・水」だそうです。それぞれに、どんな工夫があるのか聞いてみま
した。
 日光
 水
いちご農家では、いちごに最適な土を作るため
に、全体の3%ほど、有機物(たい肥)を入れて
います。これを、腐植(ふしょく)を蓄(たく
わ)えると言います。たい肥は稲わらと豚のフ
ンで作り、牛のフンはあまり使いません。牛が
えさに塩をなめているため、フンに塩がそのま
ま出てしまい、塩類障害(えんるいしょうがい
)が起こるからです。塩類障害が起こると、土
の上に塩が浮いてきて、ハウスにはよくありま
せん。でも、牛のフンも5〜6年発酵させ、手
で触っても臭いがしないようになればいちご作
りにも使用できるようになるそうです。
いちご作りに使っている水は、掘りぬき井戸からくみ上げている地下
水です。市川では、ほとんどのいちご農家で井戸を掘っています。木
村さんの井戸もハウスの脇にありました。地下水は、冬は7〜10度と暖
かく、夏は気温が25度以上になる日に散水するとクーラーの役割も果
たします。うねにかん水チューブを入れて水やりをしているので、砂
で目詰まりしないように、ごみや砂が多く、冬は冷たすぎる川の水は
使いません。
黒いビニールの下に水まき
用のかん水チューブがあり
ました。
右・・8月上旬の、ハウス作りの頃
左・・苗植えをしたばかりの頃
他の作物と同じように、日光に
十分当てると甘みが出ておいし
くなります。