ウミネコ繁殖地蕪島の紹介  成田憙一 監修




 ウミネコは、北はサハリンから南は韓国釜山沖あたりに分布して、主として日本近海に繁殖地をもつカモメです。日本では、北海道天売島、青森県蕪島、岩手県椿島、山形県飛島、島根県経島などが有名です。

 蕪島は大正11年3月に国の天然記念物に指定されています。昔は、黄色いカブの花が咲き、ウミネコの白い姿と調和して美しかったことから蕪島といわれたと伝えられています。
ウミネコの繁殖期間は、次のようになっています。

◆2月下旬 蕪島に帰還する

◆4月下旬から5月上旬 産卵がはじまる

◆5月中旬から6月中旬  ナタネの花(カブの花は絶滅)が咲き美しい

◆7月上旬から巣立ち、7月下旬に離島する

◆8月にいったん北海道に向かって北上して、11月頃には南下して関東、東海地方の沿岸を通り九州まで移動する。
2月 には、蕪島に帰ってくる。八戸港には冬に居残るものもいて、留鳥もしくは漂鳥である。

◆蕪島は陸続きであるため、島の中央部で目前に観察でき遠足・修学旅行など、自然にふれる学習の適地である。島にはウミネコ保護監視所があり、監視員が24時間勤務しており、説明を希望すると団体には応じてくれる。あらかじめ、電話しておくとよい。

 ( 0178−34−2730蕪嶋神社・呼び出し、ウミネコ  繁殖地蕪島を守る会)

◆参考資料として、ビデオ『蕪島のウミネコ』、『種差の自然』が神社売店で発売されている。

◆交通は、東北本線八戸駅で八戸線に乗り換え鮫駅下車、徒歩15分。蕪島近くに八戸港一周の遊覧船乗り場があり、追ってくるウミネコとともに遊覧を楽しむことができる。

◆蕪島から南につながる種差海岸は、変化に富んだ海岸線、海浜植物の宝庫である。潮騒に耳をかたむけ、遊歩道をゆっくり歩き自然を満喫するのもよい。