南部地方の駒踊り




 南部駒踊りの中で最も代表的なものが、三戸郡倉石村の県無形文化財に指定されている駒踊りです。駒踊りは馬とともに生き、馬に支えられた農民の生活から自然に生まれてきたものとも言えます。秋も終わりに近い頃「御野馬捕り」の勇壮な行事が繰り広げられる。ホラ貝の音が高原の空に高らかに響き渡ると、馬上の十数人が大小の旗や、差し物をなびかせて出発します。その後に、牧夫三百人が円陣を作って続きます。駒袋といって木さくか土手で築いている三角に野生馬を遠巻きにして追い詰め、捕獲するわけです。一口に捕獲といっても野生の荒馬だけに危険が伴います。
 行きの馬にまたがって野馬を追う姿はまるで、戦場で名を競う武士にも似て、軍隊そのものの勇姿です。それだけに。駒袋から野生馬の手綱を引いて引き上げてくる様は、意気揚々たるものがありました。この勇壮で律動的な動作を演ずるのが駒踊りである。


《駒踊りの特徴》
1 これは野馬捕りの手段として行ったといわれ、野馬を追うためにカネや太鼓をもちいた。

2 駒踊りには歌詞がつかない。ただ、口拍子として「たらはら」という言葉がつくのである。だから駒踊りは「ハライ」の芸能ではないかと言われている。

3 駒の数は、普通7頭か9頭である。しかし、小・中学生の参加では、マスゲーム風にして踊ったりするものもある。

4 幣束をもって踊るのだが、それはいかにもその場を祓い清めているようにも見える。